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2026年後半の貴金属市場展望

2026年の貴金属市場は、記録的な高値と大きな調整が交錯する、変動の大きい一年となっています。この記事では、前半の値動きをふり返りつつ、後半に注目される要因と、市場関係者の見方を公平な視点で整理します。なお本記事は特定時点の情報にもとづく市場環境の解説であり、将来の価格を予測・保証するものでも、投資を勧めるものでもありません。

2026年前半のふり返り

金:史上最高値のあと、大きな調整局面へ

金は2026年1月に1オンス5,400ドル台という史上最高値を記録した後、大きく調整し、6月には一時4,000ドル前後まで水準を切り下げました。年前半に12回以上も最高値を更新した後の下落で、値動きの大きさが目立った半年でした。それでも、過去1年で見れば依然として上昇率の高い資産の一つに位置づけられています(World Gold Council)。

銀:1月に急騰、その後大幅な調整

銀も1月に1オンス121ドルという急騰を経験した後、Warsh氏のFRB議長指名を受けて急落し、その後は70ドル前後で推移する状況が続いています。年初の高値からは3割以上の下落となり、こちらも大きく揺れる半年でした(Reuters・Bloomberg等)。

後半に注目される主な要因

地政学と原油

前半の乱高下の背景には、米国とイランの緊張がありました。6月中旬に停戦合意の報道で市場のムードが好転しましたが、実効性の見極めは続いています。中東情勢の再燃や原油価格の動きは、後半も貴金属相場に影響しうる要因として意識されています。

FRBの金融政策

もう一つの焦点は米国の金融政策です。市場では10月頃に利上げが行われる可能性が意識されており、金利上昇は、利息を生まない金にとって短期的な逆風となりえます。ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなど大手金融機関は、この見通しを反映して年内の目標価格を下方修正しています。一方で、利上げの想定が変われば、再び金への追い風となる可能性があります。

中央銀行の需要と脱ドル化

より長い視点では、世界の中央銀行による金の買い入れが続いています。米ドルに依存しすぎない資産分散の流れは構造的な変化とされ、金相場を長期的に支える要因として繰り返し挙げられています。ワールド・ゴールド・カウンシルは、この構造的な需要が価格の下支えになっていると指摘しています。

銀の構造的な需給

銀については、6年連続の供給不足が続いていると報告されています(Silver Institute「World Silver Survey 2026」)。太陽光パネル・EV・データセンター・AI関連機器といった工業需要が、鉱山生産の伸びを上回る状況が長引いており、この需給ギャップは短期の値動きとは別の、長期の下支え要因として注目されています。ただし、価格上昇による太陽光パネルでの銀使用量の削減など、需要側の変化にも留意が必要です。

市場関係者の見方は分かれている

2026年後半の相場観は、市場関係者の間でも見方が分かれています。以下はいずれも一部機関の見解の例であり、参考情報としてご覧ください。

金については、ワールド・ゴールド・カウンシルは「現状のマクロ環境が大きく変わらなければ、年末まで1オンス4,100ドル前後を中心に上下5%の範囲で推移する可能性」に言及しています。一方、ゴールドマン・サックスは年末目標を4,900ドル、J.P. Morganはさらに高い水準を見込むなど、機関により見方に幅があります。

銀については、UBSが年末80ドル前後、J.P. Morganが年間平均81ドル前後の見通しを示す一方、供給不足の深刻化次第でより高い水準を見込む声もあります。いずれの見通しも、地政学や金融政策の前提が変われば大きく変わりうる点は、共通して強調されています。

日本の投資家として押さえておきたい視点

ここまでの数字はいずれも国際的なドル建ての価格です。チャートの見方とスポット価格の基礎でも触れたとおり、日本で私たちが実際に支払う円建ての価格は、金属そのものの価格に加えて為替の影響を受けます。ドル建ての値動きが横ばいでも、円安が進めば円建ては上がり、円高に振れれば下がります。海外報道の数字を眺めるときは、この点を意識するとより正確に状況を捉えられます。

最新の価格や推移は、当店トップページの価格チャートでご確認いただけます。

まとめ:不確実性の高い局面だからこそ

2026年後半の貴金属市場は、地政学、金融政策、中央銀行の動向、そして銀の構造的な需給といった複数の要因が絡み合う、不確実性の高い局面にあります。短期的な値動きの予測は誰にもできない一方で、実物資産としての金・銀の役割そのものは、こうした不確実な環境でこそあらためて意識される、という側面もあります。

相場の動きに一喜一憂するよりも、インフレヘッジとしての貴金属投資でも触れているように、資産全体のバランスを整える「守りの一角」として、貴金属をどう位置づけるかという視点で眺めていくのが、長く付き合うための一つの姿勢といえるでしょう。

※本記事は2026年7月時点の公表情報にもとづく一般的な情報提供であり、将来の価格を予測・保証するものでも、投資を推奨・勧誘するものでもありません。相場は常に変動し、上下双方に動く可能性があります。投資判断はご自身の責任において行ってください。

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